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店長からのお知らせ

 秋も深まり紅葉前線もかなり南下したのではないでしょうか。 実りの季節が到来し、国内各地で収穫の歓びを祝う祭礼・神事が執り行われているようです。 古来より10月の旧称 神無月(かんなづき)には諸国の万の神々が馳せ参じる島根県・出雲地方だけは神有月(かみありづき)と言い、翌年の農作物の吉凶などを話し合う会議がもたれたとか。 これら行事の中で五穀豊穣の意味合いの文字を見掛けるかも知れませんが、日頃あまり馴染みがないせいか五穀の漢字も意味も直ぐには思い出せませんでした。 五穀はイネ(稲)・ムギ(麦)・アワ(粟)・キビ(黍)・マメ(豆)の5種類を主に表して、これにヒエ(稗)などが加わります。 最近では食文化の見直し傾向のなか、雑穀の機能性(生活習慣病などの予防効果)が注目を集めていることはご存知かと思います。 今日的な小鳥の餌では決してありませんでした。 ご承知のように私たちが何気なく使っている食事をも意味するごはん・めしの言い習わしも、元来は めしは質素な日常食を表わし雑穀類の麦飯、粟飯、豆飯などを言います。 ごはんは正月、節句、祭神事、婚礼などの晴れの日・祝い御膳の御飯(ごはん、米飯)と、自然の恵みへのより一層の感謝の気持ちを込めた丁寧語での表現になります。 それだけ私たちの食生活史の上で、かつてのお米は庶民にとっては特別な意味のある御馳走であったことが伺えます。 世界各地では先の雑穀を大切な主食にしている地域はまだまだありますが、貴重な遺伝子資源としても、その重要性が見直されて注目が高まっています。 また雑穀は腹持ちが良く、少量でも満腹感が得られるのでダイエットにも効果が期待できると言われ、女性に人気が出てきていると聞きます。

 普段、なじみの野菜について知っているようで意外と気がつかない側面もあるかと思います。 サトイモには本来、熱帯性の野菜であるサトイモ科の主要な原種が起源ですが、食用には向かない有毒な種類が多くみられ、先人達の知恵と努力によって今日のサトイモ類が作られました。  子芋が沢山できるため昔から子孫繁栄の縁起物にされて祝い膳に良く使われています。   一説では雑穀・米などの穀類を主食にする以前の人類の主食の一つだとされ、縄文期頃から日本に到来していたのではと見られているようです。 

 サツマイモは渡来したルートからよく言われる沖縄ではカライモ(唐芋)、鹿児島では琉球芋、江戸では薩摩芋になったとの話を聞いたことがあるのではないでしょうか。   これと平行して甘藷先生で知られる青木昆陽をはじめ、それぞれの地域ごとにサツマイモの導入に絡む多くの功労者の名をも挙げられるかと思います。  彼らの尽力により飢饉の重要な救荒作物として、江戸時代初期に全国的に急速な普及をしました。  昭和一桁生まれの年配者の多くが語る思い出のうちで、戦時中に食料難でひもじい思いを体験した子供時代の記憶が鮮明に甦ってくるようです。   終戦当時は空き地(校庭や皇居の中にまでもと聞きます。)ともあれば食料供給のために自家栽培用のサツマイモ畑がにわかにあちらこちら出現したそうです。 

 中南米やアフリカで主食にされるトウモロコシの歴史は5000年以上と言われ、その種類の多さにも驚かされます。  日本でもお馴染みのドライフラワーの装飾用の小型種、スナック菓子向きのポップコーン種に、色も白や緑から黒褐色までと様々な種類がそれぞれの特徴を生かした用途に応じて使い分けられています。

 南米のアンデス地方から伝わったジャガイモは、ヨーロッパでも有害(新芽の毒)との理由から、意外と遅い1774年プロシア・コルベルクの飢饉を経験した後に広く普及した経緯があります。  農民の中にはそれでも毒だと信じ、食べずに飢えに耐えていた者も大勢いたとか。  アイルランドでは1845年にジャガイモの胴枯れ病被害による食糧不足のため100万人近い死者を出し、 またそれに匹敵する多くの海外移民を生んだ歴史は良く知られています。  ついでですが当時の北米への移民を先祖とする著名人に纏わる話題も 、しばしばマスメディアの有力紙等で採り上げられていたように思います。

 話は反れますが小麦・大麦・ライ麦などの麦類との付き合いの歴史は相当長いようで新石器時代あたりまで遡るのではないかと見られています。  日本では麦類の栽培の歴史資料は少ないですが、食用や飼料用など様々に細分化しました。  西欧史でも名高い魔女狩り裁判の発生地域と割合寒さに強いライ麦の主要産地の近接した状況に着目して、科学的考察からそれらの因果関係を調査した研究者もいます。  それによれば当時、麦作物に発生した麦核菌など疫病とそれらを食した農民の幻覚作用による奇行などが、土地の迷信・俗説・教会を中心とする時代背景や偏見・差別・謀略などと相俟ってエスカレートした社会現象ではないかと、報告していた点に人間社会の在り様を感慨深く思いました。  

  ときどき赤飯のルーツではと推測される赤米・黒米をはじめとする古代米(有色米)の話題が聞かれますが、自然と食習慣の原点を振り返る良い機運ではないでしょうか。 記憶は定かではありませんが祭礼行事が年間を通じて一番多いのが奈良県(大和地方)だったかと思います。 昔から当時の土着の、また進取の文化の歴史を辿って来た地域であるが故に、近畿一帯で伝承されてきた祭礼儀式の中に自然と人間との係り方とその思想的な背景の一端などが感じられ大変興味を覚えます。 時間に余裕ができたら、更に関心を寄せたい気がします。

 最近の学童農園やスローフード運動のような食農教育、食文化の再検証の動きをはじめ、農業に絡む食料自給率の問題に関心が高まっています。  すでに4割 (主要穀物)を下回りそうな弱体化した低落ぶりを誇れない状況かと思います。  現在の世界人口が65億人と言われています。  そのうち一応、一日に2〜3食の食事をしている推定人口はおよそ6億人(うち日本人1.2億人)で、毎年一年間の餓死乳幼児人口850万人以上と見られています。  戦後の荒廃から復興再生して一見、豊かそうに見える食生活も振り返れば たかだか半世紀にも満たないのが実情です。  高度経済成長の過渡期を迎え、主要穀物の大半を輸入に依存している現状の未来像を見極めるべき事態に気が付き始めたように思えます。 

 主要な先進諸国の多くが工業国でありながら優れた農業国でもあります。  食料自給率のおぼつかない先進国にとって、平和な交易が妨げられれば簡単に危機的な食糧難に見舞われるリスクと背中合わせであると多くの有識者も認知するところです。   食料生産業は新生命創出産業でもあり、私たちの生活にとって最も大切な部分を担っています。  僭越ですが、将来的に夢の持てるビジョンやアグリビジネスモデルを斬新なアイデアも取り入れてデザイン、構築することが急務であるかと思われます。  そしていろいろな局面から、もっと幅広い世代に受容れられ易い形で展開していくことが重要かと考えます。

 

   一年も押迫りクリスマスの飾りつけをあちらこちらで目にする時節になりました。 屋外は冬模様が濃くなっていきますが、防寒条件の行き届いた住環境のおかげで寒くなる、これからの季節でも室内で 園芸・ガーデニングは十分に楽しめます。   テーブルガーデンやお皿を利用したディッシュガーデンあるいはパセリのミニ家庭菜園での育てる楽しみなど、観葉植物感覚でどんどん飾ってみてはいかがでしょうか。  スプラウト(若芽)野菜は近頃人気が出てきているのでしょうか。  もやしのような発芽した新芽をやわらかいうちに食材にするアイデアで、時間や手間も気にすることなく簡単に育てられます。   また近年 アメリカではブロッコリー・レッドキャベツなどのそれらには、がんの抑制作用を間接的に補強するスルフォラファンなどが注目を集めています。  若芽(スプラウト)の抗がん効果は成熟したブロッコリーの20倍近い効果があると研究報告されているようです。  カイワレダイコン(二十日大根)や大豆などは良く知られ栄養面でもビタミン各種を始め、微量要素のミネラル分もあって健康補助食品としての食材になるのではと期待されています。  勿論、見た目の可愛らしさ、面白さも子供たちと一緒に楽しめそうです。  

 

 今月の園芸作業としては  

観葉植物など熱帯性植物・非耐寒性植物の室内への取り込み。           

秋植え球根類・宿根草類の植え付け。    

枯葉や落ち葉などの清掃と平行して防寒のためのマルチング作業もすると効率的です。

落葉樹・バラなどの移植、植え替えなどがあります。


                                                          

 

 

記事関連サイト

 

▽ 有機農法  ニューファーム   (ロデール研究所) 
                                            http://www.newfarm.org/
    (
英語・日本語)

 

  キッズ リジェン(ロデール研究所 子供向け自然学習サイト)
                                            http://www.kidsregen.org/
  
英語・日本語)

 

▽  雑穀の世界   (東京学芸大学環境教育施設)
        http://www.fsifee.u-gakugei.ac.jp/millets/    (日本語・英語)

 

 

 

 

秋色の佇まい
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

秋の宿根ボーダー花壇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

晩秋のロースガーデン

 

 

 

 

 

 

 


 

 

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